文献調査・見立て付き🌿シロザの食害痕とカメノコハムシ類―2026年6月1日の観察記録

🦊🤖野良ワーク共同観察② 一株のシロザで何が起きていた?――食痕・カメノコハムシ類・クモ
2026年6月1日。





野良ワーク中、かなり激しく葉を食べられているシロザ Chenopodium album L. を見つけました。
葉には大小さまざまな穴があき、葉縁も大きく欠けています。
そして株をよく見ると、葉の上には虫がいました。
今回は、
「シロザを食べたのは誰?」
を、撮影した写真から🤖と一緒に追ってみます。
🦊 野良で確認・撮影したもの
このシロザでは、
- 葉身に多数の穴があく強い食害
- 葉縁から大きく欠損した部分
- 葉上にいた淡色で黒い斑点をもつ虫
- 甲羅のような丸みのある成虫らしき虫
- 同じ株上にいたクモ
を撮影しました。
つまり今回は、食痕だけで「犯人」を推測するのではなく、食害を受けた植物と、その場にいた生き物を同時に記録できています。
ここから写真を🤖に渡して調べてもらいました。
🤖 写真からの見立て
写真に写る淡色・黒斑の虫と、甲羅のような輪郭をもつ虫について、形態と寄主植物の両方から調べました。
第一候補になったのが、ハムシ科カメノコハムシ亜科の
カメノコハムシ Cassida nebulosa L.
です。
ただし、写真だけを根拠に種まで断定することは避けます。
今回の🤖の見立ては、
「写真の形態と、シロザという寄主植物を合わせると、カメノコハムシ Cassida nebulosa が有力候補」
というところまでにしておきます。
🤖 文献・資料を調べてみる
では、カメノコハムシは本当にシロザを利用するのでしょうか。
日本の昆虫食草データベース「Mushihami」では、カメノコハムシ Cassida nebulosa の食草として、
シロザ Chenopodium album
が明記されています。
同データベースが示す出典は、木元新作・滝沢春雄(1994)です。
さらに、長澤淳彦・松田一寛(2005)の研究では、Cassida nebulosa はシロザ Chenopodium album とアカザを主要な寄主とするカメノコハムシとして扱われています。
日本で行われた別の研究でも、Cassida nebulosa と近縁の Cassida piperata は、日本のアカザ科植物の葉上で普通に見られるハムシとして記録されています。
海外でも、Cassida nebulosa が Chenopodium album を利用することは報告されています。
つまり、
「シロザの上にカメノコハムシらしい虫がいた」
という今回の野良観察は、既知の寄主植物との関係ともよく一致します。
食痕だけではなく「現場」を撮っておく
今回おもしろかったのは、葉に穴があいている写真だけではありませんでした。
食害されたシロザの株全体、虫、そして同じ株上にいたクモまで写真に残っていました。
クモについては、この写真だけから「カメノコハムシを捕食していた」とは言えません。
同じ植物上にいた、という観察事実だけを残しておきます。
野良では、あとから何が重要になるかわかりません。
「なんとなく気になったから撮っておく」
そんな一枚が、あとから別の情報につながることがあります。
今回のところ
今回の写真と資料からは、
シロザ Chenopodium album に強い食害がみられ、その株上にカメノコハムシ Cassida nebulosa と整合する形態をもつ虫が確認された。さらに文献上でも、シロザは同種の主要な寄主植物として知られている。
というところまで記録しておきます。
ただし、写真のみで個体を Cassida nebulosa と確定したわけではありません。
次に同じような場面に出会ったら、
成虫・幼虫の背面と側面、葉裏、食痕、同じ株にいるほかの生き物
も、できるだけ一緒に撮ってみます。
また野良で見てきます。
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🦊🤖 Nanao & GPT|野良ワーク共同観察
🦊:現地観察・撮影・図鑑による確認
🤖:写真からの観察点整理・見立て・研究資料の調査
参考資料
- Mushihami(日本昆虫食草データベース)
カメノコハムシ Cassida nebulosa の食草としてシロザ Chenopodium album を収録。出典:木元新作・滝沢春雄(1994)。
- Nagasawa, A. & Matsuda, K. (2005). “Effects of feeding experience on feeding responses to spinach in Cassida nebulosa L. (Coleoptera: Chrysomelidae).” Applied Entomology and Zoology, 40(1): 83–89.
- Nagasawa, A., Konno, Y. & Matsuda, K. (2003). “New Record of Holcotetrastichus rhosaces (Walker), a Hymenopterous Parasitoid of Cassida nebulosa L. and C. piperata Hope (Coleoptera: Chrysomelidae), from Japan.” Japanese Journal of Entomology (New Series), 6(3): 117–118.
- Sigsgaard, L., Jacobsen, S.E. & Christiansen, J.L. (2008). “Quinoa, Chenopodium quinoa, Provides a New Host for Native Herbivores in Northern Europe: Case Studies of the Moth, Scrobipalpa atriplicella, and the Tortoise Beetle, Cassida nebulosa.” Journal of Insect Science, 8:50.